先日行ったブティックのテーブルに、うずたかく積まれた本
一番上に無造作に乗った本は、私が一時、読みたいと思いながら、1800円が高くて・・
読みたい路線から外れすっかり忘れた存在になっていました

その本がここに・・

ブティックのオーナーさん。読書が好きで読み終えた本をお店に積んで、貸出されているそうな(何の条件もなく、返却はポストへって)

借りて帰りました
母という呪縛。娘という牢獄
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数年前、母を殺め遺体をバラバラにした衝撃の事件。関西圏の事でもあり、この事件の事は鮮明に記憶しています



事件の真髄は、今回、この本で知りました

著者の齊藤彩さんが、獄中の娘さんと交わした往復書簡を元に執筆されました。
その数は2年間で30通にも及んだとのこと。

国公立大学の医学部医学科に入るよう母親に強いられ9年の浪人生活。
偏差値に届かない分の数を金の棒でたたかれ・・
家出を強行すれば、探偵を付けられ連れ戻され・・
八方ふさがりの日々。
言葉による虐待や、体罰。

母親か自分。どちらかが死なない限り終わらない・・
心が崩れ追いつめられていく様子は手記や母親とのLINEのやり取りから伝わります

読了後何とも言い難い気持ちです。
思わず、胸が一杯になり、本をパタンと閉じてしまう事も多々ありました

9年目の春。母の妥協を取り付け、国立大学医学部看護科に入学。

入学から2年間ほどの心が晴れ晴れとした様子のページには、
読み手の私まで心が軽くなりました



手術室勤務を目標にし、就職内定に新しい人生のページを見つけるも、母はまたしても助産師になれと。。。
また、以前の様な八方ふさがりの殺伐とし日々を送る事に抵抗した娘の最後の手段・・

第一審では、死体損壊、死体遺棄を認めたものの、殺人容疑は、一貫して否認「母は自殺した」と主張し、母親殺害に関しては否定をし続けるも
一審の判決文を読み上げた裁判長の優しい言葉に心が解け始める・・・

裁判員や裁判官に自分の気持ちを分かってもらえた・・
弁護士。父親。皆が長年の苦しみをわかってくれた・・救いだったと思う

裁判長の言われた言葉。
「お母さんに敷かれたレールを歩みつづけていましたが、これからは自分の人生を歩んで下さい」

全く私も同じ気持ちです
刑期を終え社会に戻られた後、穏やかな幸せな日々を過ごされますように・・・