仲良くさせて頂いた方が、転居されました

洋裁が得意で、手先が器用な方。
私の着られなくなったスカートのウエストを出して頂いたり
ズボンの裾上げをお願いしたり。
気に入った生地を見つけて、
お洋服を作って頂いたり。。

細かな仕事を、実に丁寧に素早くやって下さって、
「500円もらっておくわ」って・・

「こんな大変な作業を500円では。。」と言う私に
「大変な作業ってわかってもらってればそれでいいよ」
って言ってくれてました。

その彼女。認知の症状が出始め、
以来、段々とご主人様(80才を越えていらっしゃいます)の負担が多くなり、

遠く離れた神奈川県に住む息子さん家族の元に
身を寄せられる事になりました

長く住み慣れた住居を離れられるのは、
断腸の思いだとお察ししますが、
一緒に楽しい時間を過ごした、私の思いも複雑です。

毎日、ミシンを踏み、縫い針を使い、
工夫してリメイクをして下さったり・・・
指先を使う人は、痴呆になりにくいと聞きます
ですから彼女だけはそのような事はないと
信じて疑う事がなかったのですが。。。


私のニットのジャケットです
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不注意から小さな虫食い穴を作ってしまいました
「何とかしてぇ・・」彼女の元に駆け込みました
目立たないように、繕ってくれるのかと思っていたら、
なんと、アップリケのようなものを張り付けてくれました
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もう10年位前の話です
素晴らしいリメイクでした

些少ですが、お餞別を持って伺いました
(収めて頂く事は出来ませんでした)
ご主人様が「一寸先は闇ですわ。。」と仰る横で
にこにことして立つ彼女に私も笑顔を返しながら
ご主人様の人生の最終章が
落ち着いた穏やかな日々であるようにと願わずにはいられませんでした

転居先で、息子さん家族との新しい生活
ご主人様に安らぎの時が刻まれますようにと願うばかりです