毎日、寒い日が続きますね


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寒い朝、私は肌着の上に、写真のような物を一枚着込む事が多くなりました
亀の甲って言ったかな。。。


私が嫁ぐ時に、母はすでに他界していました
母の代わりに、婚礼の用意など一切をしてくれたのは、何の血縁関係のない、近所のおばちゃん
私は母の様に、何かと頼りにし、おばちゃんも、女の子が居なかった(男の子4人)事もあって、私の事を気にかけ、案じてくれましたし、私の叔父や叔母も、おばちゃんを頼りにしていました
おばちゃんは、結婚式の時には、集合写真の母親の席に座ってくれています

おばちゃんが、婚礼の着物一切を仕立ててくれました
何もわからない私と父は、必要な物一切を丸投げ の状態でした

たくさん用意してくれた着物と一緒に、写真の「亀の甲」があったんです

「これなに?」
「こんなんいらん!」
「格好悪いし。。絶対にいらん!」

私が言う言葉をさえぎって、おばちゃんが言いました

「持って行っとき。」
「あんたが私くらいの年になった時に、持ってて良かったぁ~」って思う時が来るから

それでも、私は、頑なにいらん!いらん!を繰り返しました

「あんたが私くらいの年になった時」今、私はこの言葉をズシンと受け止めています

肌着の上にこれを一枚。真綿が入っています。軽いんです

雪がちらつき、底冷えのする朝。背中がぽかぽかとして、動くことが苦になりません

おばちゃん!ごめんね。あんな口を利いてしまって。。
心からの陳謝と、お礼を伝えようにも11年前にあちらの世界に旅立ってしまいました
あの世とやらで、私の実母と笑い話をしてるかな・・・
おばちゃん!ありがとう。
私も67歳になって、おばちゃんの「気持ち」やっと暖かく感じられるようになってきました
真綿にくるまれた、おばちゃんの気持ち。私の背中をぽかぽか温めてくれています

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本当は肌着の上に(洋服の下に)着込みます